The Graph がAstar Networkに対応。トップインフラをオンボーディングし開発者に使い慣れた開発環境を提供。
The Graphは、ブロックチェーンデータのインデックス作成とクエリングのための分散型プロトコルです。直接クエリするのが難しいデータをクエリすることを可能にします。
UniswapやBored Ape Yacht Clubなどの、複雑なスマートコントラクトを持つプロジェクトは、Ethereum上にデータを保存しており、コントラクトから基本的な情報以外を読み取ることが非常に困難です。
Bored Ape Yacht Clubの場合、特定のApeの所有者の特定、IDに基づくApeのコンテンツURIの取得などの基本的な情報を読み取りは、スマートコントラクトに直接プログラムされているため容易に行うことができます。しかし、データを集約、そして検索したり、関係性を見出したりなど、より高度なデータの抽出、及び分析はできません。
例えば、「特定のアドレスが所有するすべてのApeを抽出→その中からApeの特徴を1つ指定し、該当するApe以外をフィルタリングする」というような操作はApeのコントラクトのみではできません。このような操作を行うには、BAYCスマートコントラクトから発行されたNFTのすべて移動履歴の確認、トークンIDやIPFSハッシュを使用してIPFSからメタデータを読み取るなど、気が遠くなるような地道な作業が必要になります。
より良い解決策は、トランザクションを処理してデータベースに保存するサーバーを使用し、その上にデータをクエリするためのAPIエンドポイントを設定することです。しかし、これは全く新しい問題を引き起こす可能性があります。これがThe Graphが存在する理由です。
GraphQL
The Graphは、Facebookによって開発され、後にオープンソース化されたGraphQLと呼ばれる構造化されたクエリ言語を使用しています。GraphQLは、伝統的なREST APIに対して柔軟かつ効率的な代替手段を提供し、開発者が必要とするデータのみを単一のエンドポイントを通じて返す、非常に精密なクエリの構造化を可能にします。
The Graphは分散化されており、Web3エコシステム全体の開発者にデータクエリを提供するために、数百の独立したインデクサーがGraph Nodeを実行しています。インデクサーは、サブグラフによって提供される情報に基づいてブロックチェーンデータを識別します。
Subgraphとは
Subgraphとは、The Graph上で特定のデータを集めて整理したものを指します。開発者は、自分のアプリに必要なデータを定義することで、特定のデータを効率的に引き出す仕組みを作ることができます。この仕組みがSubgraphです。Subgraphは、ブロックチェーン上のデータを、開発者が簡単にアクセスできるようにするためのツールなのです。
また、Subgraphは誰でも作成して、公開することができます。例えばDEXの開発者が自分の製品データを使ってもらえるようSubgraphを公開することもできますし、新製品の開発者が欲しいデータに関するSubgraphを作成することもできます。大規模なSubgraph開発者としては、暗号分野の市場データプロバイダとして有名なMessariがThe Graphのコア開発チームの一つとしてSubgraphを提供していたりします。
Astar NetworkでGraph Nodeを運用する
Astar Networkは、EthereumおよびPolkadotのエコシステムにまたがるスマートコントラクト開発環境を提供しています。そのため、Astar用のGraph Nodeを実行する上でいくつか注意事項があります。まず、3つのメインネット(Polygon CDKをベースとしたAstar zkEVMチェーン。SubstrateをベースとしたAstar Wasm及びAstar EVMチェーン)とそれらのテストネット、カナリーネットワークすべてがインデックス化されるため、メトリクスとイベントを端から端までキャプチャする必要があり、これには一定の計算資源とストレージリソースが必要となります。
Astarノードの運用時、Polkadot側のRPCノードはWasm vs. EVMスマートコントラクトチェーンがデフォルトとして設定されるため、プログラムにて予期されていないEVMトランザクションとイベントのインデックス作成を行う場合は、追加のフラグを指定する必要があります。Astarネットワークインフラのサポートとスケールでの課題についてもっと知りたい場合は、公式ドキュメントを参照してください。Astar上でブロックチェーンデータをインデックスするためにGraph Nodeの運用をすぐに始めたい場合は、こちらのWork Throughをチェックしてください。
The Graphとは
The Graphは、ブロックチェーン上のデータを簡単に検索できるようにするためのプラットフォームです。データベースのような役割を果たして、ブロックチェーン上のデータを整理して提供することで、開発者がアプリケーションを作る際に必要なデータに簡単にアクセスできるようにします。
The Graphは「ブロックチェーンのGoogle」とも呼ばれていましたが、これが一番わかりやすい例かもしれません。Googleでブロックチェーンを検索しても表示されませんよね。Googleはブロックチェーンのデータを整理していないので、データを引き出すことができません。The Graphはそれができます。
Astar Networkとは
Astar Network はWeb3アプリケーションのプラットフォームです。Polygon Labsと協業しEthereumレイヤー2である「Astar zkEVM Powered by Polygon」を提供しています。Astar zkEVMはEVM互換よりも高い水準のEVM等価性を実現しており、EthereumやPolygon等の既存のコントラクトをコードの変更なしに使用することができます。また、Ethereumのセキュリティを維持しつつL2の高速処理・低ガス代による高いUXを可能にしています。 世界中のWeb3プロジェクトと協業し、ガスレストランザクションやスマートコントラクトウォレット、アカウントアブストラクションなどマスアダプションのためのサービスが提供されます。 国内外の大手企業と提携し、Web3時代のユースケース創出やゲーム・アニメ等日本のコンテンツのグローバル進出支援に取り組んでいます。