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Astarは設立当初から「Connecting you to web3」というミッションを掲げ、このビジョンを基盤に成長を続けてきました。このミッションは、Astarコミュニティがたゆまぬ努力を続ける原動力であり、私たちのすべての活動の指針となっています。 最近では、ソニーグループとStartaleの合弁会社であるSony Block Solutions Labsが、ブロックチェーン「Soneium」の開発を発表しました。また、Astar NetworkもAstar Evolution Phase 1の一環として、Astar zkEVMのSoneiumへの移行を発表し、エコシステムの次なる成長に向けて重要な一歩を踏み出しています。 本ブログでは、Astar Networkの進化に向けた今後の活動方針やロードマップについて詳しくご紹介します。
Astarの次なる飛躍
Web3のマスアダプションには、影響力のあるユースケースと数十億人に届く強力なディストリビューションチャネルが不可欠です。Soneiumエコシステムは、Astarにとってこの目標を実現する重要なパートナーとなります。 Soneiumは、OP Stackを基盤とするSuperchainに接続され、高いセキュリティ、スケーラビリティ、相互運用性を備えています。さらに、web3とweb2を融合することで、新たなユーザー層に価値を届け、Web3の普及を加速します。Startaleは、Astar Networkを通して得た専門知識を活かし、Soneiumと共に「Web3 for Billions」というミッションの達成を目指しています。
Astarのこれから:三本の柱
進化を続けるAstarの新たな章では、成長を支える3つの柱を軸に取り組みを進めていきます。
1. ASTRの相互運用性
Chainlink CCIPなどの業界をリードする相互運用ソリューションを通じて、Soneiumと完全に接続されます。この相互運用性はSuperchainエコシステム全体にも拡張され、ASTRはその相互運用性を活かして、すでに多くのユーザーに幅広く利用されているネットワークの一部となり、さらなる普及を目指します。
2. ASTRトークンの拡張
ASTRトークンは、Soneiumの主要なコンシューマーアプリケーションや決済ソリューションにおけるエコシステムトークンとしての役割を果たせるようにStartaleはアカウントアブストラクションなどの機能の開発を始めています。そのユーティリティはSoneiumだけでなく、Superchainエコシステム全体や主要なEthereumプロトコルにも広がり、オンチェーンユーティリティの促進と普及をさらに加速します。
3. 分散型ガバナンス
Astarは、現在の中央集権型の運営モデルから進化し、Governance v1の導入を皮切りに、段階的にコミュニティ主導の完全な分散型ガバナンスの実現を目指します。
Astar Evolution 1.5:ブロックチェーンからコレクティブへ
Astar Networkは、Astar Evolution Phase 1.5の重要な取り組みとして、単なるブロックチェーンプロトコルであるAstar Networkから、コレクティブ型エコシステム「Astar」へと進化します。 エコシステム拡大の初期段階において、AstarはAstar NetworkとともにSoneiumをエコシステムのコアレイヤーとして位置づけ、OP Superchainエコシステム内での相互運用性を活用することで、ASTRの普及を加速し、より多くのユーザーやアプリケーションにその価値を届けることを目指します。 第一段階として、Astar FoundationはChainlink(CCIP)などの主要な相互運用プロバイダーと連携し、Soneiumへの安全でスケーラブルなブリッジングソリューションを導入することで、ASTRの流通拡大を目指しています。
第二段階では、相互運用性が本番環境に対応した段階で、ASTRはERC-7802アセット標準(SuperchainERC20)にコントラクトをアップグレードします。このアップグレードにより、ASTRはSuperchainエコシステム内で重要な役割を果たすようになります。
ASTR Evolution: Crypto for Billions
ASTRトークンはこれまでAstar L1のネイティブトークンとして機能してきましたが、Astarの進化に伴い、Soneiumの発展やSuperchainエコシステムの普及を支えるアセットへと進化します。この変化により、ASTRはAstar L1とSoneiumを含むより広範なエコシステムを代表するアセットの1つとなり、ホルダーがSoneiumの成功から利益を享受することができるようになります。
Astar L1上での役割・ユーティリティ
- dApp Staking用のステーキングトークン dApp Stakingは引き続きAstar L1で利用可能です。Astarエコシステム(Astar L1、Soneium、Ethereumなど)に対して貢献することが見込まれるdAppsは、ガバナンスを通じてdApp Stakingに追加される資格があります。
- Astarのガバナンストークン Astarエコシステム内の意思決定には、ASTRを用いたAstar L1上での投票プロセスが必要となります。
- Astar L1のガストークン Astar L1はエコシステムの主要なブロックチェーンであり、ASTRがガストークンとして利用されます。また、支払われたガス代の80%がバーンされ、持続可能なインフレーションを維持します。
Soneium上での役割・ユーティリティ
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Soneiumにおける代表的なアセットの1つ ASTRはSoneium内の代表的なアセットの1つとなり、エコシステムの成長に伴う価値をホルダーが共有できるようにします。これにより、ホルダーはSoneiumの成長から直接的な恩恵を受けることができます。
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Soneiumエコシステムのコミュニティトークン Soneium上のアプリに幅広く統合されるトークンとなります。
- Soneium DeFiエコシステムにおけるルーティングアセット:ASTRは、SoneiumネイティブアセットとETH、USDC、BTCなど主流アセット間の取引を円滑化し、DeFiエコシステムの基軸通貨として機能します。 Soneium上のアプリに幅広く統合されるトークンとなります。
- SoneiumのコンシューマーdAppsでの決済トークン:一部のコンシューマー向けdAppsでは、ASTRが直接またはASTR担保のステーブルコインを介して決済手段として利用されます。
- Soneiumのインフラストラクチャを支えるステーキングアセット Soneiumの高速ファイナリティ層やその他のインフラ層においてASTRをステーキングアセットとして活用も検討できます。これにより、ASTRホルダーに新たな報酬機会が生まれると同時に、ブロックチェーンのセキュリティとスケーラビリティを向上させます。
- Astar Collectiveの投資準備金 ガバナンスの結果に基づき、ASTRを使用している有望なアプリケーションに対して投資を行うことで、Soneiumを含むエコシステム全体の成功を支援します。
Soneiumは、AstarがWeb3のマスアダプションを実現するための重要なエコシステムであり、それの成長に伴い、ASTRはSoneiumやAstar L1をはじめとするさまざまなエコシステムでのユーティリティを拡充していきます。また、その過程でホルダーが貢献に応じた報酬を得られる新たな機会を創出します。 なお、ASTRのトークノミクスは現状維持され、現在のトークノミクス外でのトークンの更なる供給や新規発行は行われません。ASTRのユーティリティ拡張に向けた技術的な準備は、Soneiumメインネットのローンチまでに整う予定であり、すでに複数の相互運用プロトコルやソリューションプロバイダーと協力を進めています。
Governance v1: ガバナンスの分散化に向けて
Astarへの進化の第一歩として、ネットワークは現在の中央集権型モデルから、PolkadotのモデルにインスパイアされたGovernance v1を採用し、より分散化されたエコシステムへと移行します。このGovernance v1は、コミュニティやASTRトークンホルダーにAstarの未来を形作る権限を与え、民主的で強固なエコシステムの構築を可能にします。Governance v1への移行後も、Astar FoundationがL1ネットワークの開発をリードし、エコシステム全体の成長を推進します。 ガバナンスシステムには、Main Council、Technical Commitee、Community Councilという3つの主要な評議会が設置されており、コミュニティが主導する意思決定を効果的に実行し、ネットワークの安定性を確保します。 Astarのガバナンスは、トークンホルダーが提案や投票を通じて意思決定を行い、適切な評議会がそれを実行に移す形で運営されます。完全な分散化を目指して進む中で、評議会の支援を受けながら、更なる分散化のステージに向けた基盤を築いていきます。
また、ASTRトークンホルダーはガバナンスの中心的な役割を担い、提案の提出、提案への支持、投票への参加、そしてトレジャリー資金の申請を通じて、ネットワークの運営に貢献できます。Astarのオンチェーントレジャリーには現在約3億7000万ASTRが保有されており、この資金は、コミュニティの意思決定に基づき、開発助成金やマーケティング、流動性提供、インフラ整備などの用途に活用され、エコシステム全体の成長を支えます。 さらに、今後はコミュニティの意思決定に応じて、積極的に新規プロジェクトのインキュベーション、技術開発の促進、有望なプロジェクトへの戦略的投資なども行っていきます。 Governance v1の導入は、Astarが完全な分散型組織へ進化するための重要な第一歩です。この仕組みを通じて、コミュニティはAstarの方向性に対してより大きな自律性と影響力を持つことが期待されています。 Astarコミュニティの皆さん、今こそガバナンスに参加し、Astarの未来を形作る時です! 提案を提出し、トレジャリー資金を活用し、あなたの力でエコシステムの発展に貢献しましょう!
Astarロードマップ
2024年から2025年にかけて、Astarは「コレクティブ」へと進化し、Soneiumとの連携を通じてエコシステムを拡大することに重点を置いています。これらの取り組みは、アプリケーションの成長促進、コミュニティエンゲージメントの強化、ASTRのユーティリティ拡充、そしてエコシステムの発展とホルダーの利害の一致を目指しています。
2024年下半期
- Astarの進化
- Astar Networkをweb3の実世界での普及を推進する「コレクティブ」へと進化。
- Astar dApp Stakingの拡張 Soneiumエコシステムのプロジェクトも対象に追加。
- Astar Governance v1の導入開始 Main Council、Technical Committee、Community Councilを発足。 現在Shibuyaテストネットで試験運用中: 基本的な学習ガイド 技術ガイドとチュートリアル Astar Governanceユーザープラットフォームのプレビュー
- Soneiumのアプリケーション成長を支援 LFGMキャンペーンでASTRを採用しているSoneiumプロジェクトのリストを公開。
- Soneiumの主要アプリケーションとの連携の推進 Soneiumの主要アプリケーションとASTRホルダーとの利益を一致させるための施策を実施。
- ASTRステーキングキャンペーンの開始 Soneiumの主要アプリケーションがAstar L1上で開催。
- dAppステーキングの調整 Soneiumの主要アプリケーションとステーカー向けインセンティブを含む議論を進行。
- DeFiおよびコンシューマーdApp開発者との連携 Soneium上でのASTRの採用を推進し、コアアセットとしての地位を確立。
- Async backing(非同期バッキング)の導入 Astarのブロックタイムを12秒から6秒に短縮(Shidenはすでにアップグレード済み)。
2025年上半期
- Soneiumエコシステムでの開発者とユーザーコミュニティの構築
- Soneiumエコシステム内でASTRの導入 DeFi、コンシューマーdAppsをはじめとし、インフラ層などより幅広く採用を拡大。
- Soneium上でインセンティブキャンペーンの開催 AstarがASTRとSoneiumエコシステムの成長に向けてキャンペーンを開催。
- Soneiumプロジェクトへの戦略的投資 Soneiumの成長を支援し、早期参入サポーターに還元。
- ASTRのアップグレード ERC-7802規格に適合し、Superchainに対応。
2025年下半期以降のAstarロードマップは、Astarのさらなる分散化が進む中で、コレクティブによる議論と決定に委ねられます。 Astarは進化とエコシステムの拡大を続けています。Soneiumとの連携やGovernance v1の導入により、より分散化された包括的なエコシステムを構築し、ASTRホルダーがガバナンスやエコシステム成長に参加できる仕組みを整備しています。コミュニティは、提案や投票、ステーキング活動、プロジェクト支援を通じて積極的に貢献し、Astarが掲げる「web3の大規模普及」の実現を支えています。 ぜひ積極的にガバナンスアクティビティに参加してください!共にエコシステムを拡大していきましょう!
フォーラムで議論に参加: https://forum.astar.network/t/astar-evolution-phase-1-5-from-blockchain-to-collective/7453
Astarコミュニティに参加:
Discord: https://discord.com/invite/astarnetwork
X: https://x.com/AstarNetwork_JP