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本ブログでは、コミュニティとの対話、技術的準備、エコシステムの基盤構築を踏まえ、Astar Evolution Phase 2に向けたロードマップを公開します。現時点でのタイムラインとともに、今後のマイルストーンや取り組みの概要を紹介します。
これからの道のり
Astar Evolution Phase 2に向けて、今後数ヶ月にわたりBurndrop PoC、Tokenomics 3.0の実装、Startale Appのインテグレーション、Polkadot Plazaとの統合、ガバナンスの進化を進めてまいります。
主要なマイルストーン
- Burndrop PoC: 自発的なバーンの公開実験(2025年中)
- Plazaとの統合: Polkadotエコシステム内での相互運用性とASTRのユースケース拡大(2025年中開始)
- Tokenomics 3.0: Astar上での実装に向けたガバナンス提案(2026年前期)
- Startale Appインテグレーション: シームレスなASTR管理の実現(2026年前期)
- Burndrop: 本格実施(2026年・時期未定)
- ガバナンスの進化: Astar Foundationの機能をAstar Governance Council(ガバナンス評議会)、コミュニティコントリビューター、外部専門家へ段階的に委任(2026年中期)

これらのマイルストーンは随時更新されます。
Pillar 1 | Burndrop

Astar Evolution Phase 2の起点となるのがBurndropです。ASTRホルダーは自発的にトークンをバーンすることで、将来的にStartaleエコシステムのトークンを受け取る資格を得ることができます。
先日公開したRFC(Request for Comments)では、公平性、セキュリティ、デザインについてオープンな議論を行いました。コミュニティからのフィードバックを受け、今年後期にBurndrop PoC(実証実験)を実施します。このPoCでは、オンチェーンでの自発的なバーンの完全な透明性を確保し、デザインの安全性をコミュニティと確認します。
Burndropには、予期しない技術的問題からユーザーを保護するため、セーフガードとフォールバックロジックを実装します。Phase 2の起点となるこの取り組みを、安全かつ透明性を保ち、公平公正に実施してまいります。
Pillar 2 | Tokenomics 3.0: 固定供給量モデルによる持続可能なエコシステム
Burndropと並行して、固定供給量モデルであるTokenomics 3.0へ移行します。最大供給量の上限を設定することで、トークン発行量や供給量の予測可能性を高め、エコシステムの持続可能性向上とエコシステム参加者間の利害調整を行います。
現在のネットワークパラメータに基づくと、上限は105億ASTRと推定されますが、Burndropの実施により、この数値はさらに低くなる可能性があります。このモデルの移行は、実装前にガバナンスでの承認を必要とします。
Tokenomics 3.0の利点
- 予測可能性: 上限のある固定供給量モデルにより、すべてのステークホルダーの長期的な見通しが明確になります
- 持続可能性: エミッションの減衰により、ネットワークインセンティブと総供給量のバランスを保ちます
- 効率性の最適化: 手数料配分の最適化により、オンチェーンアクティビティへの報酬を維持しながら、インフレへの依存度を低減します
- 市場での評価向上: 固定供給型モデルは一般的に、長期的な経済設計として評価される傾向があります
これらの要素により、ガバナンスアセットかつユーティリティアセットとしてのASTRの役割をより強固にします。コミュニティによるシミュレーションとモデリングは現在進行中です。正式なパラメータは2025年後期に発表し、ガバナンスの承認を経て、2026年前期の実装を予定しています。
Mingshi Song(Astar Foundation Head of Strategy)
「機関投資家の参入には予測可能性が不可欠です。Tokenomics 3.0により、Astarはグローバルで信頼されるTokenomicsを採用したエコシステムとなります」
Pillar 3 | Startale App: AstarとSoneiumのためのスーパーアプリ

Astar Evolution Phase 2では、Astar NetworkとSoneium間のシームレスな接続が重要となります。Startale Appが両エコシステムを統合する中心的な役割を果たします。
Startale Appは、ウォレットとオンチェーンアプリの利用を一つの直感的なインターフェースにまとめたスーパーアプリです。資産の管理、運用、オンチェーンアプリの利用を統合的に行うことができます。
ASTRのマルチチェーン利用を大幅に簡素化することで、Soneium上でのASTRの利用を促進し、トークンユーティリティを拡大します。
Pillar 4 | 相互運用性: Polkadot PlazaによるASTRの活用範囲拡大
現在、ASTRはEthereum、Polkadot、Soneiumで運用されています。
今後の取り組みとして、Polkadot Asset Hubの進化版として計画されているPlazaとの統合を進めます。PlazaはPolkadot上のアセット管理、EVM互換性、ブリッジを統合したプラットフォームで、Polkadot内外の相互運用性向上を図るものです。Plazaとの統合により、ASTRをシームレスにマルチチェーンで利用できる環境を整備します。
Plazaの実装は2025年後期に予定されており、実装に合わせてPlazaへの統合を開始します。
Pillar 5 | ガバナンスの進化: さらなる分散化に向けて

2025年後期にローンチするAstar Ambassador Fellowship(AAF)とガバナンスプログラムを通じて、Astarのガバナンスを進化させます。オンチェーンエンゲージメントの活性化、コミュニティ貢献の評価枠組みの確立、コミュニティによるガバナンスリーダーシップの育成に取り組みます。
AAFは、AstarのEcosystem Agentを発展させ、各メンバーの貢献をより体系的に評価する仕組みです。Guild.xyzを通じて、コミュニティマネジメント、コンテンツ、イベント、開発など、エコシステム発展に寄与するタスクへの貢献に対し、報酬(ASTR)とオンチェーンレピュテーションを付与します。
ガバナンスプログラムは、コミュニティにガバナンスに関する教育と実践の機会を提供します。プロポーザルの提出、トレジャリー管理、プロトコル形成への参加を通じて、Astarガバナンスのさらなる分散化に向けた準備を進めます。
これらと同時に、Foundationが担う運営機能を段階的にAstar Governance Council(ガバナンス評議会)、コミュニティコントリビューター、外部専門家へ委任し、Astar Foundationへの依存度を低下させていきます。
Maarten Henskens(Head of Astar Foundation)
「Astarが次のフェーズに進むには、さらなる分散化とコミュニティ主権の実現が不可欠です。コミュニティの貢献を正当に評価する仕組みを通じて、より強固で自律的なエコシステムを形成します」
今後の展望
今後数ヶ月間は、Phase 2に向けた準備期間として位置づけています。Burndrop PoCの実施、Tokenomics 3.0のパラメータ策定、各種インテグレーションの進行状況については、適宜お知らせしてまいります。
これらの準備が整い次第、2026年にAstar Evolution Phase 2の全体像を発表します。希少性、ユーティリティ、ガバナンスを統合した経済モデルにより、実需に基づくトークンエコノミーとコミュニティ主導のガバナンスを実現します。
Astarが目指すのは、効率性、公平性、自律性を備えたエコシステムです。日本のWeb3市場での基盤を活かしながら、グローバル展開を加速させていきます。
引き続き、コミュニティの皆様とともにAstarの発展に取り組んでまいります。
