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Astar zkEVM移行ガイド

2024年8月に発表されたAstar Evolutionフェーズ1において、Astar zkEVMのSoneium L2への移行が発表されました。この度、その移行に向けた準備を本格的に開始します。このマニュアルでは、Astar zkEVMの閉鎖に伴う今後の予定、アセット移行の手順、プロジェクトやスマートコントラクトへの対応策などを詳しく解説しています。ぜひ詳細をご確認ください。

まとめ - 2025年4月1日までに必要なアクション

Astar zkEVM上に流動性を所持しているユーザー

  • Astar zkEVM上のDEXやDeFiプロジェクトから流動性を引き上げてください。
  • Astarポータルのネイティブブリッジを利用して、アセット(ETH、DAI、MATIC、USDC、USDT、WBTC、wsETH)をEthereumへ転送してください。
  • ASTRとDOTをAstarポータルまたはStargateを通じてAstar EVMにブリッジしてください。

NFTホルダー

特別なアクションは不要です。対象となるNFTはAstar Foundationがプロジェクトと連携し、Soneium L2に自動的に移行します。

開発者・プロジェクト関係者

ERC-20トークン: スナップショットを取得し、新しいチェーン上でトークンをミントし、コミュニティに周知してください。

ERC-721トークン: Astar Foundationが移行に際して必要なアクションを担当いたします。必要に応じてコアメンバーと連携をお願いします。

スマートコントラクト: 新しいチェーン(Astar L1またはSoneium)上で再デプロイしてください。

移行の背景

Astar zkEVMからSoneiumへの移行は、2024年8月に「Astar Evolutionフェーズ1」にて発表されました。Soneium L2への移行を通して、さらなるエコシステムの拡大とイノベーションの促進を行うことを目的としています。 移行の発表後、Soneium L2のローンチ準備が進む中で、Astar zkEVMでの活動量は大幅に減少していることを受け、この度、移行の準備を開始するのに適切なタイミングであると判断しました。この以降は、Astar Evolution 1.5で発表された、コレクティブとしてのAstarがSoneiumをはじめとしたより広いエコシステムに進出し、コミュニティの拡大を目指す上で重要なステップとなります。

直近のAstar zkEVMに関するデータ

Total Value Locked (TVL): $130,000まで減少(データソース:DefiLlama - Astar zkEVM)。

DEXアクティビティ: 過去24時間の取引数は39件、取引量は$1,368.58。

トランザクション数: 1日あたりのトランザクション数は現在2,000件にとどまり、2024年4月の99,999件をピークに大幅に減少。

新規アカウント数: Yoki Originsキャンペーン終了以降、1日の平均新規アカウント数は15アカウント程度。

スマートコントラクト: 過去1か月で新規デプロイされた数は100件未満。デプロイされたものの大半は、ボット関連のコントラクト。

より詳細なデータを確認したい方は以下をご覧ください:

以上のデータが示す通り、現在Astar zkEVM上のアクティビティ数は著しく低下しています。また、Astar zkEVMの運用には月々、40,000~50,000ドルのコストがかかっており、Astar Foundationの金銭的負担となっています。Soneium L2への移行が発表された今、Astar zkEVMを運用し続けることは長期的な目標と一致しないものとなっています。これらのリソースを最適化することで、Astarコミュニティの全体の利益向上やAstarおよびSoneiumの開発が促進する取り組みを行います。

Astar zkEVM閉鎖にむけた計画

すべてのステークホルダーが円滑にSoneium L2へ移行できるように、Astar zkEVMの閉鎖を計画しております。

主要なアクション

Deposit (入金)の停止: ネイティブブリッジおよびStargateブリッジ(LayerZero)を含む、AstarポータルにおけるAstar zkEVMへのDepositはすでに停止されています。

段階的な閉鎖: 残存している流動性の状況を継続的にモニタリングし、ネットワーク完全閉鎖に最適なタイミングを決定します。エクスプローラーや過去のデータは、参照や税務目的での利用が想定されるため、引き続きアクセス可能です。

セキュリティの強化: スパム対策としてガス代計算に用いる係数を増加させることで、移行期間中のネットワークを保護しています。

移行に際するサポート: マニュアルやコミュニティサポートを通じて、すべてのステークホルダーがスムーズに移行できるよう支援します。

移行計画

Soneium L2への移行に際し、Astar zkEVM上のすべての資産やトークンを円滑かつ安全に移行できるように連携して移行を進めていきます。移行手順は、流動性提供をしているユーザー、NFTホルダー、開発者・プロジェクト関係者など、コミュニティのさまざまなニーズに対応するよう設計されています。

Astar zkEVMのユーザー 以下は、Astar zkEVM上に流動性を保有しているユーザー、NFTホルダーがAstar zkEVMからSoneium L2へ資産を安全に移行するためのガイドラインです。

Astar zkEVM上で上で流動性(FT)を保有しているユーザー: Astar zkEVM上のDEXやDeFiにLPをおこなっをおこなっている場合は、提供している流動性を引き上げてください。

種類種類別アセットのAstar zkEVMからの引き出し方法

ネイティブブリッジ ETH、DAI、MATIC、USDC、USDT、WBTC、wsETHはAstar Portal上のネイティブブリッジを利用し、Ethereumにアセットを移行することができます。

LayerZero/Stargateブリッジ ASTRまたはDOTは、AstarポータルまたはStargate Financeを使用してAstar EVMににブリッジすることが可能です(※ブリッジには最大6時間かかる場合があります)。トランザクションが完了するまでの間に、トランザクションの最新状況を確認するためには、Layerzero Scanをご利用ください。

サードパーティブリッジ LayerSwapやOwltoといったサードパーティーブリッジも利用可能です。

vASTRホルダー: vASTRはOmni LSで簡単にアンステークすることが可能です。アンステーク期間が終了すると、ASTRトークンが自動的にAstar zkEVM上のウォレットに転送されます。その後、AstarポータルまたはStargateブリッジを使用してAstar EVMに転送する必要があります。

その他のファンジブルトークン(ERC20) ホルダー 各トークン発行元のプロジェクトの発表に従い、それぞれの移行計画に基づいて必要なアクションを実行してください。

NFTホルダー NFTホルダーは移行に際して特別なアクションを行う必要はありません。Astar FoundationがSonovaおよびRaribleと連携し、NFT発行元のプロジェクトと調整のうえ移行を実施します。 NFTの移行は、Astar zkEVM上の対象NFTのホルダーリストのスナップショットを取得し、Soneium L2で同等のNFTをエアドロップする形で行われます。所有権とメタデータが正確に移行され、新しいチェーン上で複製されます。

NFT移行に関する主要なアクション

マーケットプレイスの停止: SonovaおよびRaribleは2025年1月31日までにAstar zkEVMのサポートを終了します。Bluezは1月中にサポートを停止する予定です。

スナップショット: 1月末までにAstar zkEVM上のすべてのNFTのスナップショットを取得します。

移行期間: NFTの移行は2025年2月中に実施されます。

移行完了の発表: 移行が完了次第、正式に発表します。

NFT移行に関する注意点

・2025年1月31日以降、Astar zkEVM上のマーケットプレイスでのNFT取引は利用できなくなります。

・NFTホルダーによる移行のためのアクションは不要です。移行はAstar Foundation、マーケットプレイスとNFT発行元プロジェクトの間で連携して行われ、対象のNFTすべてが安全にSoneiumに転送されるよう対応します。

・移行の対象になっているプロジェクトは以下のとおりです:

Yoki Origins、Meta Mazda、CASIO、Kokyo (Origami) JAL - Beyond Club、JR Kyushu Free - Beyond Club、JR Kyushu Paid - Beyond Club、Candy Girl 1st Anniversary、HIS、Onigiriman - mooon、Sashimi - mooon、UZNo (Sharkcollection) - mooon、DenDekaDen、City Pop Tokyo、Bitget Suzuki Jimny、Japan Creator Collection - mooon、Hikikomoriz (YoHiki)、HAHA、Rarible (Midnight in Tokyo)、Walkmon、Airian、DenShinSanKa、H3SonovaCollaboCard、SNPIT Commemorative NFT Badge、DoF OG Pass、DEKSA、XO、On1 Force、NEET、SkyLabs、VeryLongSwap

Astar zkEVM上のプロジェクト、チーム

このセクションでは、ERC-20トークン、NFT、スマートコントラクトAstar zkEVM上にデプロイしているプロジェクトが、Soneium L2エコシステムに円滑に移行するために必要なアクションを説明します。

ファンジブルトークン発行プロジェクト(ERC-20) 推奨アクション:

・移行計画の策定とコミュニティへの周知 トークン移行の詳細を決定し、ホルダーに対して計画を共有してください。

・スナップショットの取得 Astar zkEVM上のトークンホルダーリストのスナップショットを取得します。

・新しいチェーン上でトークンをミント 移行先チェーン(Astar L1、Soneiumなど)で同等のトークンをミントします。

・トークンの配布 スナップショットに基づいて新しいチェーンで発行されたトークンを元のホルダーに配布

・コミュニティへのアップデート共有

開発者向け: NFT移行プロセス(ERC-721)

Astar zkEVMからSoneiumへのNFT移行は、Astar FoundationがSonovaおよびRaribleと連携して実施します。NFTプロジェクト側で特別なアクションは必要ありません。

NFT移行プロセス: ・スナップショットの取得 Astar FoundationがAstar zkEVM上の対象NFTとそのホルダーリストのスナップショットを取得します。

・トークンの再生成 スナップショットデータに基づき、Soneium上で同等のNFTトークンがミントされます。

・メタデータの移行 画像や属性を含むすべてのメタデータが移行され、チェーン間で一貫性が保たれます。

・所有権のマッピング Astar zkEVM上の所有権がSoneium上で再現され、ホルダーにNFTが配布されます。

Sonovaおよびその他の技術チームとの協力をし、すべてのNFTが正確かつ円滑に移行されるよう対応します。

開発者向け: スマートコントラクト 既存のAstar zkEVM上のスマートコントラクトは、移行先のチェーン(Astar L1、Soneiumなど)に再デプロイし、それぞれのブロックエクスプローラーで検証される必要があります。

タイムライン 移行期間: 2025年1月7日に開始されました。事前の発表通り、Astar zkEVMへの入金はすでに停止されています。 Astar zkEVMの閉鎖日: 2025年4月1日に予定されています。現在コミュニティの皆様には早急な移行をお願いしています。

移行に際してAstar zkEVM上のガス代(ETH)が必要な場合

移行に関するアクションで、ガス代が必要な場合は以下のリンクからガス代を請求することができます。 https://www.gas.zip/.

次のステップ

Astar zkEVMのSoneium L2への移行は長期的に、Astarエコシステムのさらなる発展にとって重要なマイルストーンです。移行に際してAstar Foundationは細心の注意を払い、すべてのステークホルダーの方がスムーズにSoneium L2へ移行できるようサポートしてまいります。 ご質問やサポートが必要な場合は、フォーラム投稿をご覧いただくか、Astar Discordでチケットを作成してください。

Astar Network Team

Astarは、Astar NetworkおよびSoneiumのエコシステムに貢献することで、Web3の普及を加速させるコレクティブ(集合体)です。Astar Networkは、安全でスケーラブルな環境において、ガバナンスとステーキングを支え、SoneiumはOP Stackを活用し、高速かつ低コストなトランザクションによって、消費者向けおよびエンターテインメント領域のユースケースを推進します。これら二つのエコシステムはASTRトークンによって統合され、DeFi、決済、エンタメを横断するシームレスな相互運用性とイノベーションを実現し、数十億人規模へのWeb3.0普及を目指します。