
オンチェーン金融には、あまり見出しにならない層があります。報道の多くはクジラやファンド、デイトレーダーを追いかけます。その間にいるのが中間層、つまりステーブルコインを5万ドルから200万ドル保有するウォレットです。
私たちは、そのお金が何をしているのかを知りたいと考えました。そこで10月中旬、この範囲に入るイーサリアム(Ethereum)とベース(Base)のウォレットのスナップショットを取りました。取引所、ブリッジ、機関、スマートコントラクトは除外しています。プラットフォームがユーザーに代わって預かっている資金ではなく、一般のウォレットだけを対象にしています。
目を引く数字は4つあります。
主なポイント
- この範囲の約9万1,000のウォレットが、合計234億ドルのステーブルコインを保有しています。
- そのうち215億ドル(92%)は、USDTやUSDCといった通常のステーブルコインのまま保有されています。
- 私たちが追跡している利回り型ポジションを1つでも持つウォレットは、10に1つもありません。
- 通常のステーブルコインの約半分にあたる104億ドルは、90日間動いていません。
234億ドルの中間層
この範囲には約9万1,000のウォレットがあり、合計で234億ドルを保有しています。
重心は上の層にあります。25万〜200万ドルを保有する2万5,000のウォレットが162億ドルを占め、全体の3分の2を超えます。残りの5万〜25万ドルを保有する6万6,000のウォレットは72億ドルです。
そして大部分はイーサリアム上にあります。これらのウォレットの17%はベースにもステーブルコインを持っていますが、通常のステーブルコインの金額で見るとベースの割合は約2%にとどまります。

10ドルのうち9ドルは通常のステーブルコイン
234億ドルのうち215億ドルは、貯蓄型トークン、レンディングポジション、Vaultのシェア、トークン化米国債ではなく、USDT、USDC、DAIといった通常のステーブルコインで保有されています。これは、イーサリアムとベースにあるUSDステーブルコイン全体(約1,490億ドル)のおよそ7分の1にあたります。
ウォレット単位で見ても傾向は同じです。この範囲でそうしたポジションを1つでも持つウォレットは8.2%だけです。残高が大きいほど割合は上がり、5万〜25万ドルの層で7.5%、25万〜200万ドルの層で10.1%ですが、どの層でも低い水準です(参考までに、200万ドル超のウォレットは12%)。

何カ月も動かない資金
この資金の多くは、その場にとどまっています。この範囲のウォレットの44%は、90日間、通常のステーブルコインの残高が変わっていません。その保有額は合計104億ドルで、この範囲の通常のステーブルコインの約半分にあたります。期間を180日に広げても33%のウォレットが変化なしで、保有額は78億ドルです。
保有規模による差もほとんどありません。90日間変化がなかったウォレットは、5万〜25万ドルの層で43%、25万〜200万ドルの層で46%です。
![[14_00] Astar Fi_ State of Onchain Wealth, Ed. 1 (1).png](https://strapi-prod.astar.network/uploads/14_00_Astar_Fi_State_of_Onchain_Wealth_Ed_1_1_7cf61a91dc.png)
なぜお金は動かないのか
データからわかるのはステーブルコインがどこにあるかまでで、その理由まではわかりません。そのまま持っておくことには、もっともな理由もあります。
- 待機資金(ドライパウダー)。 暗号資産の下落や、トークン化資産が狙った価格になるタイミングを待っているお金です。
- 流動性。 急に必要になったとき、すぐに使えるようにしておきたいお金です。
- シンプルさとリスク。 現金にあたる資産を、スマートコントラクトやカウンターパーティのリスクにさらしたくない人もいます。
- 他の場所のポジション。 他のチェーンで利回りを得ていたり、今回のスナップショットに含まれない商品を使っていたりする場合もあります。
1人が複数のウォレットを使うこともあれば、複数人で共有しているウォレットもあります。
そのまま持つことが間違いというわけではありませんが、コストがないわけでもありません。USDTやUSDCはドルに連動しているため、インフレが進むと1ドルで買えるものは少しずつ減っていきます。
そこで、ステーブルコインを持っている人に問いかけたいことがあります。自分のステーブルコインが今どこにあって、何をしているのか、正確に把握していますか?
自分のお金はどこにある?
多くの人にとって、これはひと目では答えにくい問いです。残高はいくつものトークンやアプリに分散していて、ウォレットではトークンの一覧として並ぶだけだからです。
Astar Collective(アスターコレクティブ)がインキュベートするAstar Fi(アスターファイ)は、イーサリアム、ベース、ロビンフッドチェーン(Robinhood Chain)上の対応資産を、通常のステーブルコインからVaultやレンディングのポジションまで、ひとつの画面にまとめて表示します。同じ画面から、Save、Earn、Investも利用できます。
この範囲だけで、215億ドルが眠っています。
自分の数字はAstar Fiで確かめてみてください → astarfi.com
調査方法とデータ出典
イーサリアムとベースの公開オンチェーン残高はDuneから取得し、スナップショットは2026年10月16日06:12(UTC)時点です(イーサリアムのブロック26,203,218、ベースのブロック52,670,892)。価格はDuneの最新USD価格を使用しています(市場価格のないVaultのシェアは原資産で評価)。ウォレットのステーブルコイン資産は、通常のUSDステーブルコインと利回り型のステーブルコインポジションを2つのチェーンで合算したもので、5万〜200万ドルの範囲はこの合計額に適用しています。Safeやスマートコントラクトアカウントを含むスマートコントラクトは除外しているため、ベースの数値は実際より低く出ている可能性があります。Safeを含めると、アイドルの割合は91.8%から91.4%に変わります。取引所の入金アドレスと、取引所・ブリッジ・機関としてラベル付けされたウォレット(Duneのラベル)は除外していますが、ラベルのない主体が残っている可能性があります。「アイドル」とは、ここで追跡している利回り型ポジションの外で、通常のステーブルコインとして保有されている状態を指します。「変化なし」とは、期間中に1ドル以上の通常のステーブルコイン保有分に一切変化がなかったことを意味し、資金をいったん移して戻した場合は変化ありとみなします。200万ドル超のウォレットは比較のためにのみ示しています。一部の利回りポジションは集計に含まれていないため、アイドルの割合は上限値です。数値は四捨五入しており、割合は四捨五入前の値で計算しています。ステーブルコイン供給量はDefiLlama(2026年10月16日)によります。全トークンリストとクエリは https://dune.com/astar_network/state-of-onchain-wealth 。公開クエリは現在のデータを返しますが、Edition 1は10月16日のスナップショットに基づいています。1つのウォレットが1人の個人とは限りません。投資助言ではありません。
引用方法:Source: Astar Fi, State of Onchain Wealth, Edition 1 (October 2026), https://astar.network/blog/state-of-onchain-wealth-255/
Astar Fiについて
Astar Fiは、Astar Collectiveがインキュベートするオンチェーンの個人金融管理アプリです。
- Earn:厳選されたVault、レンディングマーケット、トークン化された利回り商品。それぞれにリスク評価と、その根拠となるパラメーターを表示します。
- Invest:ポートフォリオから離れることなく、暗号資産やトークン化資産を購入できます。




